アメリカでは、パソコン通信のフォーラムに関して2つの裁判例があり、名誉・信用の侵害については、アップロードされる情報の内容について、コントロールや規制をするかどうかが責任の分かれ目のように理解されている。 コントロールや規制をすれば、その情報のパブリッシャー(出版社など)として責任を負う方向になり、コントロールや規制をしなければ、パブリッシャーではなく、単なるディストリビューターとされ、侵害を知っていたか知るべきであった場合以外は責任を負わない可能性が高くなるようである。 まず、1991年のカビー社対コンピューサーブ社事件(Cubby Inc. v. Compuserve Inc.(1991))の事実関係と裁判所の判断は、以下のようである。 大手のオンラインサービスプロバイダーであるコンピューサーブ社が提供するフォーラムの中に、ジャーナリズム・フォーラムがあり、そのフォーラムは、コンピューサーブ社とは独立のCCIという法人によって管理されていた。そして、そのフォーラムでDFAが発行するニュースレターがあった。キュビー社は、そのニュースレターにカビーの名誉を侵害する記載があったとして、コンピュサー社ブなどを訴えた。 裁判所は、コンピュサーブ社の「直接責任」について、@コンピュサーブ社はジャーナリズム・フォーラムの管理をCCIに任せており、内容についてコントロールを及ぼしていないから、他のディストリビューター(流通者−公共図書館、書店、ニューススタンドなど)的であると同様に、ディストリビューター的である、Aディストリビューターは、名誉毀損的陳述を知っていたか、知るべきであった場合に限り責任を負うが、アップロードされた情報の量やスピードから、コンピューサーブ社は名誉毀損的陳述を知っていたか、知るべきであったは言えない、といって、コンピュサーブ社の直接責任を否定した。 また、コンピュサーブ社の「代位責任」について、@代位責任を負うためには、指示及びコントロールが必要であるが、コンピューサーブ社は、CCIとの契約により、ジャーナリズム・フォーラムの内容の編集権限をCCIに委譲しており、基準に合致しない情報を削除する権利を有していたが、その程度では指示及びコントロールがあったとは言えない、Aコンピューサーブ社とCCIとの間、CCIとDFAの間には契約関係があるが、コンピューサーブ社とDFAとの間には直接の契約関係がなく、CCIとDFAとの契約ではDFAがニュースレターの内容について一切の責任を負うとされていたから、DFAはコンピューサーブ社から独立している、などとされて、コンピューサーブ社の代位責任も否定された。プロバイダーの法的地位の問題http://www.ne.jp/asahi/law/y.fujita/comp/int_c_pro.html